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その叱り方で大丈夫? 部下の才能を伸ばすための上手な叱り方10選

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 最近は、部下を叱ることができない管理職が増えてきています。少し大声で部下を注意しようものなら、部下から「それ、パワハラですよ!」なんて言われてしまいがちです。部下に注意するのも、上司がいちいち気を使わなければならないご時世。叱ることは、褒めることと同じくらい大切なものですが、「叱ると嫌われる」「人間関係が悪くなる」「そもそも叱り方が分からない」といった理由で、叱ることができない管理職の方が多いのが現状です。そこで今回は、部下への上手な叱り方をご紹介します。

 

 

 

叱るときは「その場で叱る」

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 叱るときは、できるだけ気づいたその場で叱るようにしましょう。過去の件をいくつもため込んで、お酒の席などでまとめて叱るのは最悪な叱り方です。聞いている方は延々愚痴や説教を聞かされるだけで、まったく面白くありませんし、反省する気持ちにもなれません。「そんな前のことをネチネチと持ち出さなくてもいいのに」と、反発を感じるだけです。叱るべきタイミングがあったら、できるだけその場で叱るようにしましょう。

 

叱るときは「人のいないところで叱る」

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 大勢の前で叱られると、叱られた本人はプライドを大きく傷つけられるものです。恥ずかしさで頭がいっぱいになり、叱られている理由についてもどうでもよくなり、反省するよりも上司に対する不満でいっぱいになってしまいがちです。叱るときは、できるだけ人のいない会議室や個室などで叱るようにしましょう。

 

叱るときは「諭すように」

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 「叱る」と「怒る」は違います。「怒る」のは、感情に任せて相手を攻め立てることです。責められた方は、どんどん萎縮してしまい怒られた後も心にしこりを残すことになります。
 「叱る」コツは、「諭す」ことです。叱る前に、叱るべきポイントを明確にしましょう。どこがどのように悪かったのかを、論理的に相手に説明するように心がけましょう。「何が悪かったのか」「その結果どういう状況になっているのか」「改善するためにはどうすればいいのか」この3点を説明しましょう。3つ目の「どうすればいいのか」は、部下に自分で考えさせられるようにできればなお良いでしょう。論理的に説明することで、部下はなぜ叱られているのかを正確に把握することができます。

 

叱るときは「叱られている理由をきちんと理解させる」

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 叱るときは、なぜ叱るのかということを、部下にきちんと理解させなければなりません。また同じ失敗を繰り返さないためにも、何がいけなかったのかを分かりやすく部下に説明し、理解してもらう必要があります。注意しなければならないのは、叱っても良い内容は「行為」や「事柄」であって、絶対に部下の人間性を責めてはいけません。叱られている理由をきちんと理解させるためには、叱る方は感情的にならず、理路整然と話をする必要があります。

 

叱るときは「質問をする」

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 たとえば、「この売上成績はなんだ!」と責めるのではなく「売り上げ低迷の原因は何だと思う?」「次はどうすれば改善できると思う?」と、相手の答えを引き出すようにしましょう。部下が自分で考えるようになれば、叱られているという意識をあまり持たずに「上司が一緒に考えてくれている」と仕事へのモチベーションも高まります。

 

叱るときは「逃げ道を用意してあげる」

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 叱るときは論理的に話をしなければいけませんが、あまり論理的に話を組み立てすぎるのもいけません。叱る側は、必ず部下に逃げ道を作ってあげるようにしましょう。たとえば、「最近忙しかったからな、疲れが溜まってたんじゃないか?」とか「家族の様子はどうだ?単身赴任だと子供のことも心配で大変なんだろう」といった言葉をかけてあげるだけで、部下は救われます。上司であるあなたが、自分のことをそこまで気にかけてくれていたんだということが分かれば、叱られている内容についても素直に受け入れてくれるでしょう。

 

叱るときは「認めてあげることも忘れない」

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 部下にとって、上司の評価は非常に気になるところです。上司に嫌われてしまったとなると、仕事へのモチベーションは下がり、同じミスを繰り返してしまうかもしれません。
 叱るときは、部下の良い部分をちゃんと認めているということを伝えてあげましょう。たとえば「普段の君だったらこんなことにはならなかったはずなのに、どうしたんだ?」という言い方をすれば、部下は普段の自分はちゃんと認められているんだと理解できます。その方が、忠告に対しても素直に受け入れることができるでしょう。

 

叱るときは「感情的にならない」

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 体育会系の会社に多いのですが「バカヤロー!」「何でできなかったんだ!」などと感情に任せて怒っているだけの上司も多いのが現状です。こういう上司は、部下が理由を説明しようとすると、言い訳だと切り捨てます。また、自分の気分によって態度がコロコロと変わってしまいます。そんな上司の下で働く部下は、上司の顔色を窺いながら仕事をするようになります。言いたいことも言えず、不満を抱えながら仕事を続け、いずれ後輩にも同じように理由も聞かず怒るようになるでしょう。
 部下を感情的に攻め立てるのではなく、できるだけ冷静に叱るようにしましょう。ポイントは、思わず怒りそうになったときは「ちょっと来い」とか「ちょっとそこに座れ」といった言葉を意識的に使うようにしてみてください。医学的に「6秒たてば冷静になれる」ことが証明されています。

 

叱るときは「叱りっぱなしにしない」

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 叱られた部下は、叱られた後は落ち込んでいるはずです。少し時間をおいてから、フォローの言葉をかけてあげましょう。「君なら必ず改善できるから、もう気にするな」とか「期待してるからハッパをかけたんだ。次は頑張れよ」なんて言葉をかけるだけで、部下の気持ちが救われます。叱るときは真剣に叱り、少し時間を置いてから笑顔で接してみましょう。部下の仕事のモチベーションが上がること間違いなしです。

 

叱るときは「メールやSNSを使わない」

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 直接叱るのに抵抗があるからと、メールやSNSで注意するのは絶対にやめましょう。文字で行うコミュニケーションは難しく、感情の機微などの伝えたい内容がなかなか伝わらないものです。また、会話であれば消えてしまいますが、メールやSNSは後に残ってしまいます。叱られたという嫌な記憶は、できるだけ早めに忘れさせてあげたいものです。

 

まとめ

 部下の叱り方のコツは、㈱ライフバランスマネジメント研究所の代表・渡部 卓氏が考案された標語「かりてきたネコ」を参考にするのが一番です。

か・・・感情的にならない
り・・・理由を話す
て・・・手短に
き・・・キャラクター(性格や人格)は責めない
た・・・他人と比較しない
ね・・・根に持たない
こ・・・個別に叱る

出典:「折れやすい部下の叱り方」(日本経済新聞出版社 渡部 卓・著)

 

 優秀なチームリーダーの条件は「うるさい人」「細かい人」「しつこい人」と言われています。どう考えても部下から好かれるタイプではないでしょう。でも、そんな人がいるからこそ、仕事はうまくいくのです。叱ることで、相手に嫌われてしまうかもしれません。でも、叱ることは愛情なのです。部下の性格を把握して、部下を上手に叱ってあげましょう。愛情を持って叱ることができたら、部下の才能も必ず伸びます。